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単純作業をなくしても、「創造性」には繋がらない オートメーション化に潜むワナ

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思考や記憶、スキルの発達において、身体的行動と感覚的知覚が重要な役割を果たしていると科学者たちが発見しつつあるまさにその時、一方ではオートメーション化が進み、コンピュータ・スクリーンという抽象的媒体を通じたやり取りが増えているのは、何と皮肉なことなのだろうか。

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本書ではこのほかにも、今後オートメーションの大きな課題となってくる道徳的アルゴリズムの問題について、戦場におけるドローン(無人航空機)の集中攻撃などを題材に言及している。

原題はThe Glass Cage――ガラスのおり。おりの外側ではオートメーションがさらなるオートメーションを生み出し、われわれの生活をより一層プログラムに従うものにしている。それはまるで、スキルを獲得することによって育んできた「進化の歴史」そのものを外部化する行為のようにも思える。

そして著者は、一見透明に思えるオートメーションの裏側には、人々の思惑や動機が存在し、それらを十分理解しなければ、われわれは「おり」に入ったも同然であると説く。何が得られたかということだけでなく、何が失われたかということに対する「引き算の感受性」も重要なのである。

「快適さ」を疑う心を失ってはならない

かつてツールを使いこなすことには一定のハードルがあり、そのスキルを獲得することによって世の中から逸脱することができた。だが年々ツールを使いこなすことのハードルは下がっていき、オートメーション化にあらがって世の中から逸脱することには、大きな苦労が伴なう時代になっている。だからこそ、われわれは「透明化する快適さ」に対して強い懐疑心を持ち続けなければならず、それがひいては人間の多様性を生み出すことにつながっていくのだ。

本書ではこのように人間かテクノロジーかという議論に留まらず、場とそこで発揮されるパフォーマンスという観点から人間らしさの本質を描き出しており、奏でるような筆致の美しさにも思わずうならされた。

年始め、人間のこと、そして未来のことを冷静に考えるには、うってつけの一冊と言えるだろう。

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