奥さんをショート(空売り)する公開株マネジャー
皆さん、バレンタインは楽しく過ごされましたか? 私は北京出身の素敵な女性と、香港出身の素敵でない男性と一緒に近所のポルトガル料理のレストランで美味しい海鮮パエリアを食べました。いやー、美味しかった!
さて、今回は前回コラム「エリートたちの恋愛・結婚・離婚事情」の後編である。公開株の仕事は、株を安い値段で買って高い値段で売るか、高い値段で売って安い値段で買い戻すことなのだが、この職業で培われた“短期売買メンタリティ”はそのまま対人関係にも投影されることとなる。
たとえば、公開株運用の仕事ではポートフォリオを組むため、1つの株だけ買い続けるわけにはいかない。つねにリスクをヘッジし、マクロ環境に関係なくアップサイドを享受できるよう分散投資が必要だ。この影響で、交際関係においてもこのようなけしからん効率的ポートフォリオ理論やバリュエーション手法を駆使してパートナーをとっかえひっかえしている人たちが結構多いのだ。
たとえばうちの嫁さん、全然ご飯もつくってくれへんし、文句ぶつくさうるさいし、その割にやれ生活費上げてくれ、やれこのプレゼン ト買ってくれ、とどうも“ファンダメンタルに対し割高”と違うか。それに比べて、最近知り合った女子大生は、世間知らずで自分の市場価値も知ら ず、1万9800円の偽ダイヤのネックレスでも目を輝かせてラブレターを書いてくれる。割高なのに文句ばかり言う鬼嫁と、割安なうえ、今後さらに美しさに 磨きがかかっていく女子大生。両者を比較すると、ショート(売却)せざるをえない割高銘柄は、残念ながら奥さん、ということになる。
なおバレンタインなどに若い彼女がかわいいチョコレートをくれ、奥さんがコタツでラーメンを食べながら「私にプレゼントないの?」と訊いてくると、心の中で奥さんに空売りを仕掛けて、奥さんの価格は連日リミットロー(値幅制限一杯の投げ売り)を更新するのである。
実際の話、悲しい話だが公開株のアセットマネジメント分野で働く友人は離婚率と再婚率が極めて高い。これは一銘柄に対する投資期間が短く売買の回転が速いことに加え、ファンドのコミットメント期間(投資家から運用を任される最低期間)が月単位で極めてターンオーバーが激しいことが、この職業病的メンタリティに悪影響を与えているのだろう。
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