「みんなに好かれたい病」の呪縛から解脱せよ 自分の優先順位をいったん決めてしまう

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男女雇用機会均等法の施行から27年が経ち、ビジネス界で女性と男性が競うのは当たり前になりつつある。しかし、他の先進国と比べると、日本の女性管理職の比率は低いままだ。「なぜ女性は出世できないのか」「どうすれば女性は出世できるのか」――。『抜擢される人の人脈力』の著者である岡島悦子プロノバ社長が、自らの半生やヘッドハンターとしての経験を基に、 出世のために知っておくべき掟をつづる。

男性には理解しにくい女性の気持ち

女性が出世を目指すとき、無意識に妨げになっているのではないかと思っているものがあります。それは「みんなから好かれたい病」とでも言うべきもの。かつては私も、この病気の患者でした。しかも重症の。

多くの日本人が「空気を読む」ということは日常的に行っているものの、男性にはこの「周囲の人たちから絶対に嫌われてはいけない」という気持ちがあまり理解できないかもしれません。が、ある心理学者の方がこんなことを言っています。

女性は子どもの頃から、「誰からも好かれるようになりなさい」「ちゃんとみんなの輪の中に入りなさい」と言われて育つ。しかも「「おままごと」のようなロールプレイを通じて、みんなとうまくやっていく訓練をしながら成長します。

一方、男の子は野球とかサッカーとかテレビゲームなど、勝ち負けを競い合う遊びをする。終了すればノーサイドであり、勝敗はその後の友達との関係には影響しません。だから安心して競争に没頭できる。男の子にとっては好かれることより、勝つことのほうが重要なのです。

この子どもの頃からの刷り込みの違いが、長じてからの行動の差になって表れるのではないかという説を知って、私は深く納得しました。

私は子どものころから完全に、みんなから好かれることに喜びを感じるタイプでした。「学級委員に選ばれないなんてありえない」と思っていたくらいです。今考えると、学級委員なんて面倒くさいことを押し付けられるだけの役なのですが、人気投票と勘違いしていたわけです。

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