岡島悦子「人気のない仕事にチャンスがある」 30代前半までに一つ実績を

拡大
縮小
日本の新しいモデルを創る「新世代リーダー」とはどんな人なのか。どんな能力、教養、マインドセット、行動が必要となるのか。国内外のリーダーを知り尽くした、各界の識者たちに「新世代リーダーの条件」を聞く。
第7回目に話を聞くのは、当サイトで「女性はどうすれば出世できるのか?」を連載する、岡島悦子プロノバ社長/グロービス経営大学院教授。経営の「プロ人材」紹介を行うヘッドハンターとしての経験を踏まえながら、新世代のリーダーに求められるものについて語る。

※インタビュー(上)はこちら

リーダーシップの4類型

アカデミックな世界では当たり前の話になっているが、リーダーシップのスタイルは4つに分けられる(下図参照)。人間のタイプを4つに分類しているのではなく、リーダーシップのスタイルを分類している所がミソである。

1つの軸は、論理重視か感情重視か、もう1つの軸は、結果重視かプロセス重視かだ。今の時代、リーダーは、環境の要因(たとえば、変革の時間軸や企業文化)と部下の要因(例えば能力、意欲、自律性)をしっかりと分析して、自分がどのタイプのリーダーシップスタイルをとっていくのが最適かを、最初に見極めなければならない。そのうえで、そのスタイルを意識的に演じていく必要がある。

この「演じる」ということが重要だが、理解していない方が多い。リーダーシップと言った途端に、自身の性格や得意な方法の話になりやすい。また、指示命令型のカリスマリーダーばかりを想起して、「俺はカリスマ性がないから」という話になってしまう。

メディア等の影響なのか「ガリガリこれをやれ」と上位下達で指示するのが、リーダーシップだと思いがちだが、実は全然そんなことはない。たとえば、マッキンゼーのような個人の自律性と能力が高い組織では、「指示命令型」は機能せず、組織は空中分解してしまうだろう。論理的に説明し納得感を醸成したら権限委譲する「委任型」が最適だろう。スターバックスのように共感に訴え「価値観」で人を動かす組織であれば「支援型」、といった風である。

次ページ地雷を踏まないために
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT