岡島悦子「人気のない仕事にチャンスがある」 30代前半までに一つ実績を
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リーダーシップの4類型
アカデミックな世界では当たり前の話になっているが、リーダーシップのスタイルは4つに分けられる(下図参照)。人間のタイプを4つに分類しているのではなく、リーダーシップのスタイルを分類している所がミソである。
1つの軸は、論理重視か感情重視か、もう1つの軸は、結果重視かプロセス重視かだ。今の時代、リーダーは、環境の要因(たとえば、変革の時間軸や企業文化)と部下の要因(例えば能力、意欲、自律性)をしっかりと分析して、自分がどのタイプのリーダーシップスタイルをとっていくのが最適かを、最初に見極めなければならない。そのうえで、そのスタイルを意識的に演じていく必要がある。
この「演じる」ということが重要だが、理解していない方が多い。リーダーシップと言った途端に、自身の性格や得意な方法の話になりやすい。また、指示命令型のカリスマリーダーばかりを想起して、「俺はカリスマ性がないから」という話になってしまう。
メディア等の影響なのか「ガリガリこれをやれ」と上位下達で指示するのが、リーダーシップだと思いがちだが、実は全然そんなことはない。たとえば、マッキンゼーのような個人の自律性と能力が高い組織では、「指示命令型」は機能せず、組織は空中分解してしまうだろう。論理的に説明し納得感を醸成したら権限委譲する「委任型」が最適だろう。スターバックスのように共感に訴え「価値観」で人を動かす組織であれば「支援型」、といった風である。