コーチングディレクターとラグビーU20日本代表監督を兼務する中竹竜二氏。2006年に32歳にしてサラリーマンから指導経験もないまま名門早稲田大学ラグビー部の監督に就任した中竹氏は、カリスマ性あふれる前任の清宮克幸監督が築いた常勝チームに「フォロワーシップ」という新しいマネジメント手法を持ち込んだ。
07年度、08年度と早稲田大学を全国大学選手権連覇に導きながら自らを「日本一オーラがない監督」と自称する中竹氏に、自身の経験を踏まえた新任マネジャーへのアドバイスを聞いた。
現在、コーチングディレクターとラグビーU20日本代表の監督を兼務している私が最初にマネジメント職に就いたのは、早稲田大学ラグビー部監督というポジションでした。
初めてのミーティングで伝えたこと
打診を受けたのは、就任の1年前となる05年4月のこと。候補者の一人として、やる意思があるのかという確認レベルです。そしてシーズンも終わりに近い12月頃、前任の清宮監督から「お前に決まりそうだ」という話がありました。
その時の私は32歳。三菱総合研究所に勤務するサラリーマンで、指導経験すらありませんでした。監督に就任する直前まで三菱総研での仕事が残っていましたし、準備もほとんどできないような状況でした。
就任して初めてのミーティングでは、ダーウィンの進化論の話をしました。「強いものが生き残ったのではなく、変わり続けるものが生き残ったのだ」と。つまり、「早稲田も変わらないといけない時期にある。強くなり続けることを目指すのではなく、変化していくことを目指さないと勝ち続けることは難しい」と伝えたのです。
その上で、「フォロワーシップ」という概念を提示しました。
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