ほどほどにしか従わない
サッカー選手にとって、上司である監督からの「指示」と、プレーヤーとしての「自己主張」に、どう折り合いをつけるかは最も悩ましい問題のひとつだ。
自分が希望しないポジションを与えられて反発してしまう「問題児」もいれば、逆に指示を聞き入れすぎて自分のよさを出せない「型にはまった優等生」もいる。
しかし、サッカー界には飄々と、ひっそりと、監督と衝突することなく、絶妙のバランスで「指示」と「嗜好」を両立させている選手がいる。
日本代表の遠藤保仁(ガンバ大阪)だ。
1月28日に33歳になる遠藤は、ザッケローニ監督率いる日本代表の最年長選手だ。2006年W杯では出番を与えられずベンチで悔しい思いをしたが、10年W杯ではボランチとしてすべての試合に先発した。同世代の小野伸二や稲本潤一が代表からフェードアウトする中、遠藤は卓越した技術と試合を読む目でいまだに代表の中心に居続けている。
遠藤の流儀は、極めてシンプルだ。監督からの指示を受け入れるが、“ほどほどにしか従わない”のである。
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