時にトップを走っているサッカー選手は、とんでもない発想をさらりと口にする。
10月12日にパリで行なわれたフランス対日本の親善試合でのことだ。日本はフランスのスピードとパワーに圧倒され、特に前半はほぼ何もできなかった。終了間際に日本がカウンターからゴールを決めて1対0で勝利したものの、内容的には完敗と言っていい。
だが試合後、長友佑都はこう語ったのである。
「相手がバテるのはわかっていた。後半に勝負しようと思っていたので、前半は相手の攻撃をうまく操れました」
この発言を聞いて、鳥肌が立つほどに驚いた。傍目にはボコボコにやられていたように見えたが、当事者の長友からしたらわざと攻めさせて、糸をつけて操るかのように相手をコントロールしていたのだ。そこで相手を疲れさせたからこそ、終盤に反撃に出たられたと。
長友は2010年夏にイタリアのセリエAへ旅たち、約半年後に名門インテルに移籍したことで、Jリーグ時代からは想像もつかないほどに自信に満ちた言葉を口にするようになった。
長友は、こう締めくくった。
「自信、モチベーション、志が自分の身体とマッチした時に、どれだけ人が成長できるかを、僕は身をもって学んできた。メンタルが安定しないと、技術は出せない。今日の試合では、若手たちがそういう経験をしてくれたと思います」
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