放映権ビジネスの最前線に飛び込んだ日本人 岡部恭英 テレビ放映権セールスマネジャー
スポーツビジネスの世界で最もカネが集まるところ--。それがテレビ放映権ビジネスだ。
たとえば5万人収容のスタジアムを満員にしても、チケット収入は2億円程度にしかならない。だがテレビ放映ならば、観客は世界中に散らばる。2006年のサッカーW杯ドイツ大会では、放映権料だけで1410億円を売り上げた。
カネが集まる場所には当然、権力も集中しやすい。W杯のテレビ放映権を扱うインフロント社(本社・スイス)のCEOは、国際サッカー連盟(FIFA)のブラッター会長のおい。またインフロント社が北中米・カリブ海地区でW杯放映権を販売する相手は、同地区サッカー協会のワーナー会長の会社だ。権力者とのパイプがなければビジネスにかかわることすら難しい世界である。欧州で、その放映権ビジネスの最前線に飛び込んだ日本人がいる。岡部恭英である。
06年、岡部は欧州スポーツマーケティング会社の名門TEAM社に、アジア人として初めて採用された。TEAMはサッカー界で最もハイレベルな大会といわれる欧州サッカー連盟(UEFA)のチャンピオンズリーグの放映権を扱う企業。スイスのルツェルンに本社を置き、約130人が働いている。
大学卒業後、商社マンとして東南アジアや米国を渡り歩いた岡部は、02年W杯をきっかけにサッカー界に転職することを決意した。完全に門外漢の日本人が、どうやって欧州サッカー界に飛び込んだのか。
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