放映権ビジネスの最前線に飛び込んだ日本人

岡部恭英 テレビ放映権セールスマネジャー

スポーツビジネスの世界で最もカネが集まるところ--。それがテレビ放映権ビジネスだ。

岡部恭英(おかべ・やすひで)
T.E.A.M.Marketing A.G./テレビ放映権セールスマネジャー
1972年生まれ。慶応大学卒業。商社に入り東南アジア、米国で勤務後、英国ケンブリッジ大学でMBA取得。06年TEAMに入社。現在、UEFAチャンピオンズリーグの放映権販売などを手掛ける。

 たとえば5万人収容のスタジアムを満員にしても、チケット収入は2億円程度にしかならない。だがテレビ放映ならば、観客は世界中に散らばる。2006年のサッカーW杯ドイツ大会では、放映権料だけで1410億円を売り上げた。

カネが集まる場所には当然、権力も集中しやすい。W杯のテレビ放映権を扱うインフロント社(本社・スイス)のCEOは、国際サッカー連盟(FIFA)のブラッター会長のおい。またインフロント社が北中米・カリブ海地区でW杯放映権を販売する相手は、同地区サッカー協会のワーナー会長の会社だ。権力者とのパイプがなければビジネスにかかわることすら難しい世界である。欧州で、その放映権ビジネスの最前線に飛び込んだ日本人がいる。岡部恭英である。

06年、岡部は欧州スポーツマーケティング会社の名門TEAM社に、アジア人として初めて採用された。TEAMはサッカー界で最もハイレベルな大会といわれる欧州サッカー連盟(UEFA)のチャンピオンズリーグの放映権を扱う企業。スイスのルツェルンに本社を置き、約130人が働いている。

大学卒業後、商社マンとして東南アジアや米国を渡り歩いた岡部は、02年W杯をきっかけにサッカー界に転職することを決意した。完全に門外漢の日本人が、どうやって欧州サッカー界に飛び込んだのか。

次ページ人生を変えた日韓ワールドカップ
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 賃金・生涯給料ランキング
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
人気の動画
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT