放映権ビジネスの最前線に飛び込んだ日本人 岡部恭英 テレビ放映権セールスマネジャー

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エバートンに入ると、社員は地元の人ばかりだった。ちょうど国際ビジネス開発部門が立ち上げられた時期で、岡部は東南アジア、米国を渡り歩いた自身の経験とMBAの知識をフルに生かし、国際ビジネスの戦略策定に携わった。約1年間のインターンが終わる頃には、「クラブに就職しないか」と誘われるほどの存在になっていた。

勧誘はうれしかったが、岡部は次のステップとして、FIFAやUEFAのようなサッカー界の中枢組織で働きたいと考えていた。オファーを断り、就職活動を開始した。

抜き打ちテストと奥さんチェック

100ものクラブや企業への売り込みを経験した岡部にとって、就職活動は慣れたものだった。テレビ放映権の世界でTEAMという気鋭の会社があることは耳にしていた。岡部はTEAMの受付に電話をかけ、わずか30秒で自分を売り込む“エレベーターピッチ”と呼ばれる話術で責任者に電話を取り次いでもらった。そして30分後にはメールで「自分を雇えばこれだけのメリットがある」と企画書を送信。この用意周到ぶりが評価され、面接のチャンスをつかみ取った。3度の面接試験を経て、岡部は内定を勝ち取った。

この途中、抜き打ちともいえる形のテストも行われていた。一つは旧職場にその人物の働きぶりを問い合わせる“リファレンス・チェック”。TEAMは岡部のインターン先であったエバートンに電話を入れ、岡部の人物評を尋ねた。するとエバートンのCOOは、「ヤスはうちにはもったいないほどの人材。自信を持って推薦する」と答えたという。

もう一つは最終面接後、TEAMから夕食に誘われたときのこと。岡部はTEAMから「奥さんも連れてくるように」と言われていた。

「そこで妻がどんな人物かを調べたようです。彼らは仕事をするうえでの家庭の大切さを知っている。妻は僕のことを積極的に売り込んでくれました。後に上司からは、『おまえより奥さんを雇いたかった』と言われたほどです(笑)」  

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