日本代表の自分を変えるメンタル術 24時間、つねにTVカメラを意識する

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レバークーゼンでプレーする細貝萌は、まだ日本代表に選ばれてない時、メンタルトレーナーからこうアドバイスされた。

「普段から、日本代表選手だという気持ちで生活してみよう」

これを聞かされたとき、細貝は「難しいでしょ」と感じた。まだ浦和レッズでもレギュラーを取っていなかったからだ。だが、それを意識して生活するようになると、街を歩いていても「自覚を持とう」と考えるようになり、普段の振る舞いに少しずつ変化が生まれた。その後、細貝は2008年北京五輪に出場し、2010年9月に日本代表デビュー。現在は日本代表の欠かせないメンバーになっている。

この「TVカメラがすぐ横にあると意識する」という習慣は、他の仕事にも応用できる。手前味噌になってしまうが、スポーツライターが選手にインタビューをするときがそうだ。

「生中継されている」という緊張感

筆者のスポーツライターの師匠である金子達仁氏に、こんなアドバイスをもらったことがある。

「インタビューをする時は、うしろにカメラがあって、生中継されていると思って臨んでみろ」

インタビューというのは、どんなメディアであろうと編集作業がのちに加えられるために、すべてがノーカットで放送されるということはほぼない。ただし、あとで編集すればいいという考えは、甘えや油断につながる。一瞬の熱を逃がさず、インタビューのストーリー性を失わないためには、特別な集中力が必要だ。「生中継されている」と思うことで、感覚がより鋭くなる。

TVカメラが常に自分の横にあると意識する――。本田のように24時間続けるのはハードルが高いとしても、仕事や生活の一部分にそれを取り入れることはプラスになるはずだ。

木崎 伸也 スポーツライター

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きざき しんや / Shinya Kizaki

1975年東京都生まれ。中央大学大学院理工学研究科物理学専攻修士課程修了。2002年夏にオランダに移住し、翌年からドイツを拠点に活動。高原直泰や稲本潤一などの日本人選手を中心に、欧州サッカーを取材した。2009年2月に日本に帰国し、『Number』『週刊東洋経済』『週刊サッカーダイジェスト』『サッカー批評』『フットボールサミット』などに寄稿。おもな著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『クライフ哲学ノススメ 試合の流れを読む14の鉄則』(サッカー小僧新書)など。

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