本田がメディアに話さなくなった4つの理由

イメージトレーニング、世界基準、自己への問いかけ

 今年6月にブラジルで開幕するサッカーW杯。日本代表は本大会で勝てるのか?『サッカーの見方は1日で変えられる』の著者であるスポーツジャーナリストの木崎伸也氏が、日本代表のキーマンの動向を追いながら、本大会への希望と不安を描く。
あるときは饒舌、あるときは無口。本田のメディア対応の背景にはどんな思いがあるのか(写真:Enrico Calderoni/アフロスポーツ)

本田が突然話さなくなった

本田圭佑は「読めない男」である。

日本代表における背番号を「18」から「4」に変更したり、真っ赤なフェラーリで空港に現れたり。生徒に知らせないで海外の日本人学校を“サプライズ訪問”するのも、本田の流儀である。

取材する記者にとっても、予測不可能な存在だ。

試合後に一言も残さないこともあれば、10分以上、取材に応じることもある。たとえば先日のニュージーランド戦では、イタリアから帰国した際は「試合なんで」という一言しか話さなかったが、試合後には計30分間もミックスゾーンに立ち続けた。

基本的に口を閉ざしているものの、ひとたび開けば刺激に満ちた言葉が飛び出てくる。いつしか「本田の言葉」は日本代表で最も注目されるコンテンツになり、ミックスゾーンでのコメントの全文がネットメディアに掲載されるようになった。一言ももらさず掲載されるのは、本田だけである。

かくいう筆者も、スポーツ総合誌『Number』から本田の言葉を引き出してほしいという依頼を受けて、この4年間、ロシアを中心に世界中を飛び回ってきた。

毎日が失敗の連続で、3週間モスクワに滞在して、引き出せたのがわずか一言ということもあった。その一言とは、「俺のコメントなしの原稿、楽しみにしてるよ」というもの……。不思議なもので、その原稿は読者から大きな反響があった。一言でさえ、これだけインパクトがあるのだから、取材できたときの熱量はすさまじい。こういう興奮と達成感を味わうと、「もう一度、山に登りたい」という気分にさせられるのである。

本田が突然、話さなくなったのは、2010年W杯のことだった。

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