岡島悦子「人気のない仕事にチャンスがある」

30代前半までに一つ実績を

もう1つの実行力を育む方法は、OJTだと思う。簡単に言うと、経験しかない。しかも自分が意思決定者となる経験である。ピンチの時に冷静になる方法、自分が挫折しやすいポイント、人の痛みの理解等、経験することでしか習得できないことがある。

ただし、いくら修羅場を踏んでも、自分の中でPDCAサイクルを回して、学習できないとダメだ。修羅場の中から何がつかめたのかを、洞察のレベルまで深められないと、再現性が出てこない。

知識を積むのは大事だが、それはスポーツに例えると、筋トレみたいなものだ。筋トレは絶対必要だが、ゲームに出ないと、勝ち方や自分の弱さや、他のメンバーにどうやったら動いてもらえるかはわからない。だから、私はとにかくバッターボックスに立つようにアドバイスしている。場やポジションが人を育てると私は思っている。

転職は答えにならない

どちらの選択肢を選んでも痛みを伴う意思決定をし、自分で責任を取るような痺れる修羅場体験があればあるほど、ビジネスの心肺能力が上がる。たとえば、首相官邸のスタッフよりは、小さい村の村長のほうがいい。一流のリーダーと言われる経営者に、ぐっと成長した転機を聞くと、必ずと言っていい程、そうしたつらい痺れる経験、一皮むける経験、を挙げる人が多い。

そうした経験を得るためには、転職すればいいという話ではまったくない。ホームでできないことをアウェイでできるはずがない。まずは今の会社の中でとにかく「自分マーケティング」をするべきだ。それは何か嫌らしくアピールをするとか、出世するとかいう意味ではない。権限がないとできない仕事、情報にアクセスできないとできない仕事は多くあるので、小さくても自分に任せてもらえる仕事をつかむことが、非常に重要になる。

皆さんによく申し上げているのは、人気のない仕事にこそチャンスがたくさんあるということ。自分で取りにいける仕事は、探せば結構ある。そういうものがあったら、「やりたい、やりたい」と手を挙げたほうがいい。

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