男性の【時短勤務】経験者は6.8%という現実も…「女性活躍」の陰で女性が抱える"見えづらい本音"

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「女性活躍」を推進するために企業に求められる施策について解説します(写真:nonpii/PIXTA)
日本は男女格差が先進国のなかでも大きいとされており、働く女性は、育児と仕事の両立等を図るなかで、日々理不尽さを抱えているのが実情です。より働きやすい職場環境を整備するために理解しておきたい「女性活躍」にまつわる本音と建て前を洗い出し、求められる対応を考えます。
企業実務』の記事を再構成し、社会保険労務士法人開東社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタントの中村友美さんが解説します。

女性社員の「本音」と「建前」

(1)性別役割意識

内閣府「女性活躍・男女共同参画の現状と課題 令和7年5月」によると、日本の男性の有償労働時間(労働力を提供して対価を得るもの)は女性の1.7倍、女性の無償労働時間(家事や育児、介護など対価を得られないもの)は男性の5.5倍となっています。

厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」によると、男性の育児休業取得は増加傾向にありますが、それでも30.1%と女性の84.1%とはいまだ大きな差があります。その期間についても、男性は3か月未満が86.1%と大半を占め、2週間未満の短期間取得者も37.7%と4割近いのが現状です。

また、短時間勤務についても、利用したことがあると答えた男性は6.8%と限られています(「日本労働組合総連合会 仕事と育児の両立支援制度に関する意識・実態調査2023」)。

このような現状には、性別による無意識の思い込み(いわゆるアンコンシャス・バイアス)も影響していると考えられます。

内閣府「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」によると、「仕事より育児を優先する男性は仕事へのやる気が低い」「男性なら残業や休日出勤をするのは当たり前だ」と思う傾向は、女性より男性に多く、後者は役職者ほどそう思う傾向が強いという調査結果が出ています。

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