
マチュピチュ村に到着した「ペルーレイル」(左)、サン・ペドロ駅を出発しマチュピチュ方面へ向かう(右)(写真:筆者提供)
経済ジャーナリストで、法政大学MBA兼任教員の浦上早苗さんが挑戦した50歳からの“おひとり様”世界一周。その旅を通じて見えてきたもの、感じたことを、ありのままに綴る連載が「シン・世界一周〜人生後半、日本を学び直す旅」です。
今回は、前編で考えた移動ルートを実際にたどります。
世界遺産マチュピチュの玄関口まで、クスコ市街から列車で向かうことを決めた筆者は、2024年10月31日早朝6時すぎ、キャリーケースをクスコのホステルに預け、リュック一つでサン・ペドロ駅に向かった。
この駅に列車が止まるのは1日数回だけで、見落としてしまいそうなほど地味なたたずまいだった。

ホステルからサン・ペドロ駅に向かう道(写真:筆者撮影)

サン・ペドロ駅。列車が運行する時間以外は閉まっている(写真:筆者撮影)
標高3400メートルの高地にあるクスコの朝は、日本の真冬のような冷え込みだ。路上で年配の女性が「コーヒー」と話しかけてきたので買い求め、駅舎に入る。
列車のドア近くに立っていた乗務員にチケットとパスポートを見せると、同世代とおぼしき男性が「こんにちは。さなえ」と日本語であいさつしてくれた。
若い男性乗務員に先導され車内に。彼は窓枠に掲示された番号を指して「あなたが予約した座席はここだけど」と言った後に、「景色がいいこちらの席にどうぞ」と反対側の別の座席に座るよう促した。
日本語のあいさつと座席の配慮。発車前からこの鉄道旅がすばらしいものになる予感しかしない。

ペルーレイル「ビスタドーム」の車内は開放感がある(写真:筆者撮影)
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら