とはいえ、上司は部下を追い込んではいけない。軽いタッチで声をかけ続けよう。
「そろそろやってくれないか」
「そういえば、Hさんも毎日のようにやるようになったな」
このようにサラリと言い続けるのだ。すると、だんだん部下もその気になっていく。
「やる気」よりも「その気」に注目する
部下から「意味がない」など理不尽に反論されると、上司は「なぜ当事者意識に欠けているのか?」「やる気が足りないのか?」「組織の方針に納得できない理由でもあるのか?」などと考え込み、別の施策をとりたくなる。話が大きくなってしまうのだ。
ここで大事なのは、難しく考えないことだ。人にはペースというものがある。わかっていても、すぐに決断できない人はいるのだ。自分のペースで相手の行動を変えたがる人も多いが、自分の理屈を重ねて強制をしてはいけない。
上司が目を向けるべきは、部下の「やる気」よりも「その気」である。やる気をアップさせようとするのではなく、その気をアップさせようとするのだ。どうすればその気になるかは相手次第。だからこそ相手のタイプを見極める必要がある。
このように相手のタイプに合わせてアプローチを使い分けることが重要だ。あくまで「相手視点」で話すことが大事なのである。「意味がない」と言われても動じることはない。
話し方もだが、上司は姿勢・態度も大事だ。「それ、意味ありますか?」と聞かれたとき、オロオロしてはいけない。まず相手がどのタイプか見極め、論理派にはデータで勝負する。空気を読むタイプには環境を整える。マイペース型には時間を与える。
部下がどのタイプであっても、上司として毅然とした態度を保とう。話し方は柔軟であってもいいが、結論は相手に合わせて変えてはいけない。
「意味がない」という言葉に惑わされず、相手に合わせた話し方を選ぶ。それが部下を動かす秘訣である。
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