常見:それは興味深いお話です。以前は難しかったのに、なぜ今になって就職できるようになったんですか?
白河:政府のおかげで女性活躍推進が活発化したことと、そういった学生パパママたちが企業にとって魅力的な人材として認められたことが大きいですね。実際に、子供がいるからこそ、働く軸がしっかりしています。
常見:僕も過去に子供を持つ男子学生を面接しましたが、確かにそう感じました。暗い話題が多い就職活動ですが、これは明るい兆しだと思います。
「女性活躍推進法」が女子たちの就活を変える
常見:先ほどの話のように、今年の学生たちはルールが変わったものの、例年よりも、内定が出るか否かという意味では苦労は少なかった就活だったと思います。しかし、今一度、『会社四季報』『就職四季報』(東洋経済新報社刊)シリーズを参考にして、業界や企業分析をしろと私は言いたい。白河さんは、これから就職活動を迎える学生や、すでに内定を得た学生になにかアドバイスはありますか?
白河:女子は、『就職四季報女子版』がかなり使えるということを覚えておいてほしいですね。というのも、会社によっては有給取得率だけでなく、結婚率までわかります。もちろん中には、それを非公開にしている会社もありますが、そこもひとつのメッセージとして受けとってほしい。
常見:情報が開示されないことにも意味がありますよね。
白河:それと今年8月に「女性活躍推進法」という法律が制定されました。この法律によって、社員数301人以上の企業は、女性の比率や女性管理職比の率などの数値、女性活躍に関する目標や行動計画の公表が義務付けられることになりました。将来的に集まったデータは、「女性の活躍『見える化』サイト」など内閣府のサイトで見られるようになります。将来的には、女子学生たちとって会社選びの重要な情報源になると思います。
常見:情報開示義務ができることで、企業のあり方も変化していくでしょうね。
白河:そうですね。そこは私も期待しています。企業によっては、開示する情報が優秀な女子学生たちを採用するための武器にもなるでしょうし、こういった流れは今後も続くと嬉しいですね。
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