「女性が辞めない会社」は、全員17時に帰る 連日の深夜残業から生まれた新しい働き方

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左から宣伝部の奥野愛さん、製品開発部の向井真理子さん、ICT事業部の三原伸さん。いずれも中途入社だが2014年4月から新卒社員も入社している
「わが社では女性の活躍を推進しています」とアピールしている企業でもその多くは、若手や男性が夜遅くまで当たり前のように残業しているのが実状だ。子どもを持つ女性は周囲に対して心苦しさを感じながら時短勤務を活用していたり、限られた時間の中でパフォーマンスを発揮できないことに悩み、やむをえず退職を選択したりする。
そんな中、男性社員も女性社員も、子どもがいる社員もいない社員も、とにかく全員が残業せずに17時に退社している会社があった。「ランクアップ」という、2005年に設立された化粧品会社だ。

17時退社、持ち帰り仕事もなし

「ランクアップ」は2005年に設立された化粧品の開発と通信販売を手掛ける会社だ。社員は約40人。ほぼすべての社員が8時30分に始業し、17時には退社する。就業規定上の勤務時間は17時30分までだが、「仕事が終わっていれば退社してもいい」というルールを作ったところ、全員が17時に帰るようになった。毎日17時以降に社内に残る人はほとんどいない。

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退社後のメールチェックは禁止だ。とはいえ、誰もが1日分の仕事は社内で完了させているので、持ち帰り仕事をする人はいない。もちろん、時にどうしても今日中にやらなければいけない仕事が重なってしまうこともある。そんな時には理由を明確にしたうえで残業をする。だが、そうした状況が続いてしまう場合は派遣社員を手配するなどして打ち手を打つ。

「前職時代と比べて、生活も仕事のやり方も明らかに変わりました」。ICT事業部の三原伸さんは言う。かつて勤めていた広告代理店では、毎月のように残業が100時間を超えており、自身もそれが当たり前だと思っていたという。「短時間に集中して仕事をこなすようになって、これまでいかにダラダラと過ごす時間が多かったかということがよくわかりました」(三原さん)。

大手化粧品会社から転職してきた製品開発部の向井真理子さんは毎日17時に退社した後、サプリメント関連の資格取得に向けた勉強に励んでいる。そこから新たな企画のヒントが生まれることもある。「前職時代のプライベート時間は遊びのことしか考えていませんでした。今は夜でも新しい企画のことを考え始めて、眠れなくなることがあります」と話す。

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