なぜ女性たちは「ぶら下がり社員」になるのか

ギスギス職場は誰のせい?

昨年、『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書)を発表し、ワーキングマザー界に鮮烈にデビューした中野円佳氏。連載3回目にあたる今回は、女性たちがなぜ出産した途端に「会社のお荷物」になってしまいがちなのか、という古くて新しい問題について考察します。
そこからは、日本のカイシャ特有のある問題が浮かび上がってきます。
※1回目記事:育休世代のカリスマが、会社を"降りた"ワケ 
※第2回目記事:働く母の「3大・生存戦略」を検証する

 

こんにちは、中野円佳です。今回は多くの企業が抱える「ぶら下がり社員」問題について考えます

こんにちは、女性活用ジャーナリスト/研究者の中野円佳です。私は『「育休世代」のジレンマ』という本を書いたあと、新聞記者として、企業のダイバーシティ施策や女性活躍推進の経済的効果、働き方の問題などの取材をしてきました。

企業の両立支援の先進的な取り組みや女性社員の活躍ストーリーを記者として聞く機会も多いのですが、そのようなキラキラした話と、友人や本の読者の方などが私に個人的に「ねぇ聞いてよ」と言って打ち明けてくる話には、しばしば大きなギャップがあります。

ダイバーシティ先進企業として表彰されている企業でも例外ではありません。女性活躍推進はすぐに目に見える成果が出にくいこともあり、一部の日本のカイシャでは、すでにちょっとした「ダイバーシティ疲れ」が漂う気がします。

女性のほうにも溢れる、“客寄せパンダ”になる違和感。男性や未婚の女性からわき出る、不公平感。そこで今回は、特にワーキングマザーが増えたことで発生している職場のギスギス問題を取り上げたいと思います。

大増殖する育休世代の出産

私は著書の中で育児休業などの制度がある程度整った2000年代以降に就職した世代を「育休世代」と定義しています。このころから、大企業の正社員であれば育休を取ることはいわば当たり前になってきました。同時に、新卒採用における総合職の女性比率が急速に上昇しています。この世代がいま次々と出産していて、日本のカイシャは職場がママであふれるという、未曽有の事態に直面しつつあります。

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