産休や短時間勤務に入る女性が増えると、まず悲鳴を上げるのが、周囲でその女性たちの仕事を肩代わりする同僚たちです。
ぶら下がり社員はなぜうまれるのか
私は『「育休世代」のジレンマ』という本で、育休から復帰した女性社員たちが組織の中で十分に活躍することがきず、「ぶら下がり」と呼ばれてしまいがちだと書きました。
それについて「女性個人が悪いのではなく、構造的に働く意欲を調整せざるを得ないからだ」「女性がある選択をせざるを得ないとき、その前提条件や環境、背景を考えないといけない」というスタンスで、ママ社員たちを擁護してきました。
でも、「とは言ってもね、中野さん」という話もたくさん聞きました。「ほんとにいるんですよ、マジで迷惑な育休明け女性って」と。仕事を周囲に押し付けて当たり前だと思っている、感謝の一言もない、権利ばかり主張して貢献はまったくしない…云々。
私の本では、「育休から復帰した社員に過剰な配慮をしてやりがいを奪ってしまうと、子どもを預けてまでする仕事なのかと疑問を覚え、継続意欲が下がってしまう」ということを書いています。責任ある仕事や活躍が描けるコースから外してしまい、戻れる見通しが立たなくなってしまうと、それは「過剰な配慮」でやりがいを奪う可能性があるということです。
ここで言っているのは「つまらない雑用を同僚に任せて、おいしいところだけやる」ことが育休明けの社員のやりがいを確保する、ということではありません。でも、たぶんそういう人、いるのでしょう。でも、それを育児をしている人全員のことと、判断しないでほしいのです。
そのような態度に出ている育休明け社員が目立つには、理由がいくつか考えられます。
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