経験豊富で仕事がデキる。3カ月契約で企業を渡り歩く”スーパー派遣社員”の主人公が、行く先々で活躍をするテレビドラマ『ハケンの品格』が放映され、話題に上ったのは2007年のこと。当時、主人公は30代前半だった。それから8年――。
現在、派遣社員(一般労働者派遣)の平均年齢は37.9歳。ほぼ毎年1歳ずつ上がっている。労働者数も2008年をピークに減少。派遣社員に今後の希望する働き方を尋ねたアンケートでも、半数以上が正社員、パート・契約社員と回答しており、派遣社員と答えた人は2割にも満たなかった(日本人材派遣協会が2013年に実施したウェブアンケート)。派遣社員という働き方を選ぶ人が減り、新しい人材が入ってこない。このままでは派遣業界はジリ貧の一途をたどることになる。
「パートタイム派遣」で主婦を呼び込め
そんな中、人材派遣業界が次の一手として打ち出してきているのが「パートタイム派遣」だ。フルタイム派遣が週5日・1日8時間勤務が一般的なのに対し、パートタイム派遣は、週2~3日や1日4~5時間などの勤務が多い。”ゆるやかな働き方”で眠れる労働力である子育て中の主婦を呼び込もうというわけだ。
パートタイム派遣とは、フルタイム派遣1人分の業務を2人のワークシェアリングで行ったり、企業の業務量が多いときだけのパートタイム勤務だったりする。たとえば、9~13時勤務のスタッフと13~17時勤務のスタッフでシェアする、週2日勤務のスタッフと週3日勤務のスタッフで1週間のシフトを組む、1人のスタッフが週2日勤務の閑散週(月)、週4日勤務の繁忙週(月)を組み合わせる、月末月初の繁忙期のみ勤務する、などさまざまなバリエーションがある。
これまでも、派遣業界ではパートタイム派遣のニーズは認識されていた。しかし、パートタイム派遣には、ある"欠点"があり、これまであまり普及してこなかった。
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