3月も残り5日。上場企業3500社超の7割が決算期末を控え、最後の追い込みをかけているところだ。
東洋経済の最新集計では、金融を除く上場企業(3月期決算で過去10期以上の実績がある2079社が対象)の今2015年3月期業績は、合計営業利益が32兆円と前期比で7%増、3期連続プラスとなる見通しだ。
言うまでもないかもしれないが、営業利益とは「本業で得られた儲け」を意味する。企業が商品やサービスの提供などの営業活動によって得られた売り上げ(営業収益)から、原価や費用を差し引いて残る利益である。
この営業利益が大きかったり、売り上げに占める割合(営業利益率)が高かったりすることは、企業の儲ける力が強いことを意味する。では、この営業利益を効率的に稼いでいるのは、いったいどんな企業なのか。東洋経済オンラインは上場企業を対象とした「1人当たり営業利益」を調べ、トップ500社をランキングした。3月25日配信配信の「『1人当たり売上高』トップ500社はここだ!」と併せてご覧いただきたい。
1人当たり営業利益は、その名のとおり、それぞれの企業の直近本決算における営業利益を従業員数で割って算出した数値で、全体の売上高、営業損益、平均年収も併載した。従業員数には一般的に派遣やパート、アルバイトなどの非正規社員(臨時従業員)が含まれていないので、実質的な頭数で割り出した数値とは少しズレがあるかもしれないが、企業が効率的に儲ける力を示す。
頭数がいれば稼げるワケでもない
1位は国際石油開発帝石。原油・ガス開発生産の国内最大手で1人当たり営業利益は2億5526万円にも及ぶ。2位は松井証券。言わずと知れたインターネット証券の老舗で、こちらも1人当たり営業利益は2億1847億円。3位はジャフコの同1億7171万円。上位を見ると、人数をかけずに収益の上がるビジネスモデルができている企業が少なくない。相対的に平均年収の高い企業も多い。
一方、上場企業で1人当たり営業利益が1000万円を超える企業は196社しかない。全体の6%程度と1割にも満たない。未上場会社にも目安となりそうで、1人当たり営業利益が1000万円超というのは、日本企業にとってはかなり高いハードルといえそうだ。