来週で3月も終わり。日本企業の多く、上場企業で言えば約7割に当たる2500社が決算期末を迎える。今年度(2015年3月期)は、急回復ぶりを見せた前年度に続いて、多くの企業で増益となる見込みで、過去最高益を更新する企業も続出。東洋経済の最新業績予想で見るとその数は、純利益(最終利益)ベースで500社以上にも及ぶ。
最高益続出の中で最終赤字に沈む企業も
一方で、業績不振やそれに伴う人員整理、不採算事業からの撤退などに伴って大きな損失を出し、純損失(最終赤字)を強いられる企業の姿もある。企業は原則として永続的に収益を出していかなければならないが、長い期間で見ると利益がまったく出ていない会社もある。
東洋経済オンラインは、過去10年にわたって純損失を積み上げてしまった企業を独自に調べ、その上位500社をランキングした。3月23日に配信した「過去10年で純利益を積み上げたトップ500社」の逆となる。
調査対象としたのは2014年10月期までに本決算を迎え、上場を続けてきた企業で、10年前は未上場だった会社や変則決算などのためにデータがそろわない上場企業と金融機関は原則として除いた。それぞれ単年の最大純損失、最高純利益の金額も併載した。
純損失とは、企業の営業活動によって生み出された売り上げから原価や費用だけでなく、本業以外の損益を合算し、法人税をはじめとする税金を支払ったうえで、最終的に会社が出してしまった損失。つまり、会社の純粋な赤字である。通算の純損失が出ている会社は過去10年間の営業活動において、純粋な利益を残せず、その分、会社の資本を毀損してしまったことになる。
ランキング1位は東京電力。この10年での通算純損失は1兆5419億円にも及んだ。もはや説明の必要がないかもしれないが、福島原発の事故に関連する巨額の賠償負担や廃炉費用などの損失で2011年3月期には1兆2473億円もの純損失を計上。その後も2013年3月期まで7000億円前後の最終赤字が続いたことが響いた。東電ほどではないが大手電力会社は原発の停止に伴う採算の悪化が響き、累計赤字の会社が続出した。
2位はパナソニック(通算純損失1兆1025億円)、3位はシャープ(同6429億円)、4位はルネサスエレクトロニクス(同6288億円)が続く。液晶やプラズマ、半導体といった、かつて日本が得意とした分野での大苦戦が目立った電機関連産業の大手企業だ。これらに限らず、このランキングで上位に並んでいるのは、リストラや金融支援、身売りなどを強いられた企業ばかりである。
このランキングの最下位となる483位の通算純損失は2億円。過去10年で見ると、上場企業の約3500社のうち15%前後以上は純粋な利益を会社に残せていないということになる。