まだママ社員は数が少ないので、その人がそのカテゴリーの代表のように扱われてしまうのかもしれません。①は妊娠前からの問題です。②③はその人のせいだけではなく、環境要因も大きいと思います。いずれにしても、そういう状況を見て「育児中の社員はこれだから困る」とひとくくりにしないでほしいのです。
「分かりやすいところ、おいしいところだけやる」というのは「マルチタスク問題」と言われ、成果主義の弊害としてよく指摘される問題です。そこだけが評価される仕事だからそうするわけです。評価の仕組みが悪いのであって、こういう行動がでてしまうのは、育児中の社員に限りません。
本当はマネジメントの問題
仮に、ある部署にいる育児中の社員が全員、周りに迷惑をかける状況になっているのなら、それはやはり組織の問題だと思います。
基本的に、従来型の日本企業は、年度途中で、あるいは企業側の人事異動や命令と関係のない理由で、総合職正社員がチームを出たり入ったりすることを想定していません。これまで管理職は、均質な日本人の男性正社員をまとめあげていれば良かったはずです。人種や言語の多様性も乏しく、家族構成もそう多様ではなく、専業主婦の妻が子どもを育てて、内助の功で大黒柱を支えるという前提。
それが、今やダイバーシティの時代です。外国人登用などの多様性がまだまだ進んでいない企業でも、抱えている家族事情と働き方は急速に多様化しています。17時までしか働けない人がいる。転職しますと言って辞めていく人がいる。妊娠しましたと言って数か月後から休み始める人がいる。親の介護で時間を制約される人がいる。
こうした「多様」な人を抱える管理職はかつてなく大変だと思います。様々なバックグラウンドの人たちについて理解することも必要になりますし、コミュニケーションもこれまで以上に必要になってきます。
何らかの事情で仕事を休む人がいる場合、あるいは労働時間に制約があるメンバーがいる場合に、まず組織として考えるのは、代替要員を補充するのかどうかという点で、主に次の3つの対処法がありそうです。
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