ニュージーランド公立小の"自由で刺激的"な日常 移民大国で根付く「ダイバーシティ教育」の実際

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

平倉:子どもたちは地元の公立校に通っているのですが、とにかく自由でリラックスしています。教室では、床に座っても椅子に座ってもいい。靴を履いていても履かなくてもいい。先生たちもくつろいでいて、子どもにも保護者にも気さくです。決まった教科書はなく、子どもたちは先生が用意する課題や実践をきっかけに、各自のペースと興味関心に沿って探究を広げていく。その自由さがいいなと思いました。

子どもたちはこちらの学校を気に入っていて、日本に戻れるか心配なくらいです。先生は1つの教室に2、3人体制で、子どもたちと一緒に活動することもあれば、教室の隅にいて、必要なときだけサポートをすることもあります。

1クラス複数体制

鳥羽:先生たちはあくまでも補助なんですね。それにしても、1クラスに複数の先生が常駐しているのは贅沢です。

平倉:そうですね。子どもたちが通っている小学校は、少人数ということもあって2学年で1クラスになっています。さっき小学校を訪問した際に、鳥羽さんが校長先生に質問されましたよね。「自由に育てている分、リスクも生じると思うけど、自由とリスクのバランスはどうやって取っていますか?」と。それも「1クラス複数体制」につながる話でした。

鳥羽:それは、自由にはリスクが付きものだから、先生が1クラスに複数いることで安全が担保され、そのおかげで自由な空間が実現できている、という意味でしょうか。

平倉:ええ。規律で管理せずに子どもの自由にさせる──と言葉で言うのは簡単ですが、とりわけ低学年では、自由は思いがけない危険と隣り合わせになる。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事