京都の老舗を支える「よきパートナー」という思想 自社だけでなく、客や取引先とともに成長する

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
多くの老舗が残る京都ならではの「成長モデル」について解説します(写真:まちゃー/PIXTA)
「つねに歴史を振り返ることで、その歴史の中から革新が生み出される」。税理士でアンビシャスグループ代表の入口純子氏は、創業から100年以上続く老舗企業が京都に多い理由のひとつとして、京都ならではの「歴史」の重みと同時に、その歴史にあぐらをかかない「謙虚さ」を挙げています。
入口氏が指摘する、長い「歴史」の中で培われた、京都ならではの人と人との「関係性」とは、いったいどんなものなのでしょうか。
※本稿は、入口氏の著書『お金は使うほど、会社は強うなりますねん 京都の老舗を見てきた税理士が教える経営と会計』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

銀行員の自尊心をくすぐり、本来の役割に目覚めさせる

「晴れた日には傘を差し出し、雨が降ったら傘を取り上げる」

だから銀行なんて、信じたらダメ。しょせん、貸す側と借りる側。油断は命取り。半沢直樹のお父さんのような状態は、いまは、ドラマだけの世界かもしれません。一方で、「油断は命取り」は、ある面では真実だと考えています。

それは、銀行員も、プロとして真剣にお金を貸しているから。預金者から預かった大切なお金を、お金を必要とする企業のために仲介する。やみくもに、どこかれそこかれ経営者の言葉を鵜呑みにし、表面上の数字を見て、簡単に融資する。そんな銀行員ではダメ。

必ず返済、回収できるのかをプロの目で、しっかりと見定め、融資の決定を行います。 融資というのは、プロとプロの真剣勝負。借りる側も貸す側にも油断なんて、もってのほかです。

次ページ銀行員は、よきライバルであり、よきパートナー
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事