京都の老舗を支える「よきパートナー」という思想 自社だけでなく、客や取引先とともに成長する

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銀行に油断してはいけません。任せっきり、いうがままなんて、もってのほかです。でも、敵ではない。経営のパートナーです。

目標は、同じ。自社の成長、発展があなたの成功であり、銀行員の成功です。銀行員に求める役割をしっかり伝えるとともに、自社の夢を語り、未来を語り、同じ目標に向かうパートナーである意識づけをしっかりつくっていきましょうね。

千家十職に学ぶ、取引先とともに伸びる技術

創業から100年以上続く老舗企業は、日本には4万社以上もあります。世界の100年企業数は、約7万5000社といわれており、日本は突出した老舗企業の数です。その中でも、全国ナンバーワンの老舗出現率(老舗出現率とは、全体に占める老舗企業の割合)を誇っているのが京都です。

ところで、京都には、「三千家」と呼ばれる茶道のお家元があります。表千家、裏千家、武者小路千家の3つでそれぞれの流派となっています。三千家の祖は、千利休。千利休といえば……大永2年(1522年)―天正19年2月28日(1591年4月21日)、戦国時代から安土桃山時代にかけての茶人、商人。つまり400年以上の歴史を脈々と受け続けています。

お茶を点てるには、茶碗や湯釜などの茶道具が必ず必要です。三千家では、お茶を点てるときに「利休好み」といわれる茶道具を使います。利休の茶風を守るには、茶の点て方を継承するだけではなく、道具をつくる職人を承継し続けることも必須でした。

お茶に必要な道具、中でも利休好みの茶道具をつくる職人の家を職家(しょっか)といい、現在では十職の家柄が指定されています。千家十職(せんけじっしょく)とは、利休好みの茶道具をつくる職人の10の家柄をいうのです。 三千家の家元と、その茶道具をつくり続けてきた十職。両者もまた、ただ、商品を使う客、商品をつくる職人といった間柄を超え、どちらが欠けても成り立たないパートナーといえるでしょう。

イトーヨーカ堂、セブン-イレブン・ジャパンの創業者である伊藤雅俊さんは、「商いの心」として、「銀行は貸してくださらないもの」「お取引先は売ってくださらないもの」「お客さまは来てくださらないもの」と生前におっしゃっていたそうです。

商売の中では、なんだか勘違いをして、客だったら何をしてもいいかのように、横柄な振る舞いをする人をたまに見かけます。でも、本当は商品を買う側と売る側は、よきパートナーであるはず。売る商品をつくってくれる人がいて、売る商品を売ってくれる人がいるからこそ、商売が成り立つはず。

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