地球接近小惑星は、現在確認されているだけで3万個以上あります。
そのうち、地球に大接近する軌道をもち、衝突したときに甚大な被害をもたらすものは「潜在的に危険な小惑星」と呼ばれ、なんとその数は2000個を超えているのです。
地球の運命は「重力のいたずら」次第!?
重要なポイントは、小惑星や彗星は太陽の重力だけでなく、惑星の重力にも影響されるということ。
突然、小惑星や彗星がポンッと弾き飛ばされて、地球に向かってくるようになる場合も十分あり得ます。
天文学者のカール・セーガンが「僕らは宇宙の射撃練習場のなかに住んでいる」といっていたくらい、地球の運命は、重力のいたずら次第なのです。
現在、世界中の観測所で危険な小惑星の監視を行っています。
現時点で把握している限りでは、衝突確率が高い小惑星はありません。しかし、観測網をくぐり抜ける小惑星もあるので、100%安心とは言い切れないのです。
2013年、ロシアのチェリャビンスク州に直径19メートルの小惑星が飛来したことがあります。
小惑星は上空で爆発し、その衝撃波が窓ガラスを割って1600人以上のけが人が出ました。この程度のサイズでもかなりの人的被害が出てしまうのに、小さな小惑星を望遠鏡で把握するのは簡単ではないのです。
2019年には、なんと直径130メートルもの巨大な小惑星が地球をニアミスしていたなんていうケースもあります。じつはこのとき、前日まで誰も気づいていませんでした……。
では、危険な天体はどれくらいの確率で地球にやってくるのでしょうか。観測データから算出される頻度は、次のようになっています。
直径1メートル級 10日に1度くらい
直径10メートル級 数十年〜100年に1度くらい
直径50メートル級 1000年に1度くらい
直径10キロメートル級 1億年に1度くらい
このように、小さな天体ほど高い頻度でやってきます。
しかし、たいていは海に落ちるか、地上に落下するとしても人が住んでいない場所がほとんどです。
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