「頭のよさは遺伝で決まっている」論の大誤解 「成績がいい人」が必ずしている見えない準備

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

たしかに目標達成のために必要なことを甘く見積もっていたかもしれませんが、ここまで成し遂げたことが否定されるわけではありません。

そして、あなたの夢は、その小さな試験でAをとることではなく、目標はもっと大きく、長い道のりの先にあるはずです。1回のつまずきであきらめている場合ではありません。

間違えてもすぐに何が正解かを調べない

それでも、失敗したテストに向き合うのにひどく抵抗があるようなら、次に紹介する方法を試してください。

最初の抵抗感を減らすため、まずは間違いの分類だけをやろうと決めてください。次の8つに分類します。

① その問題が試験に出たことに驚いた
② (選択式問題の)選択肢がどれも正解と思えない
③ それが正解であることはよくわかっているけれど、思い出せなかった
④ この問題はある概念を問うものだと言うが、自分もその概念については勉強していたのに、そのときにはどう関連するのかがわからなかった
⑤ バカな間違いをした
⑥ なぜ自分の答えが間違いなのか? 理由がわからない
⑦ 考えすぎていた
⑧ 引っかけ問題だった

すぐに正解を調べると自分の解答を正当化したくなりますので、やめましょう。間違った問題を分類することだけに徹します。

情けなくなって自分を責め始めたら、「私がやっているのは、勉強のできる人が試験の後にやることと同じことなんだ。気分はよくないけれど、やるべきことだ」と声に出して言いましょう。

それから時間を置いて、今度は自分がなぜその問題を間違ったのかを正確に把握するために、課題図書や(必要に応じて)自分のノートに書かれた内容を見ましょう。このときに、先ほど行った問題の分類を変更してもかまいません。その後また時間を置いて、自分の間違いに共通点があるかどうかを確認しましょう。

さっさと終わらせてしまいたいのに、作業をこうして別々の時間に分けるのは気が滅入るかもしれませんが、作業を細かく分けると、それだけ怖さも減ります。

ダニエル・T・ウィリンガム 心理学者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Daniel T. Willingham

ヴァージニア大学心理学教授。過去に「学習と記憶」に焦点を当てた研究を行い、現在は、K-16教育(幼稚園から大学までの教育)への認知心理学の応用を研究テーマとしている。『教師の勝算』(東洋館出版社)をはじめその著作は23カ国語で出版されベストセラーに。2017年、オバマ米元大統領より全米教育科学委員会の委員に任命された全米屈指の教育のプロフェッショナルでもある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事