心臓がドキドキする。筋肉がこわばったり、汗をかいたりする。めまいがする……。人前で発表したり試験を受けたりするときに、こんな症状になるのは、不安だから。不安と聞くと、嫌なものだと思いがちだが、身体が上記の反応をすることで「問題の存在に気づく」という役に立つ一面がある。
もっとも、不安を解消するには時間がかかる。また「不安ではない」と自分に言い聞かせるのも逆効果。アメリカ教育界の第一人者である『勉強脳』の著者、ダニエル・T・ウィリンガム氏は、同書で不安を管理する画期的な方法を披露している。
試験中に不安になるのは正常な反応
試験中に不安を感じて集中力が保てなくなると、正解がなかなか思い出せなくなって、また不安が高まってしまう……。こうした負のサイクルを打ち破るか、そもそもそのサイクルに入らないようにする方法を考えていきましょう。
多少の不安は正常であり、むしろ役に立ちます。たとえば、何が脅威なのかを理解する前に、心臓のドキドキのような身体の反応に気づくことがあると思います。不安によって問題の存在に気づくからこそ、その問題についてもっと知ろうとすることができます。
不安が「役に立つ」ものではなく「有害」になるのは、その環境に脅威がないかチェックすることに時間と精神的エネルギーを習慣的に費やすようになった場合です。
クモ恐怖症の人は、部屋を隈なく見回して危険がないことを確認し、部屋に入ってからも目を走らせ続けます。注意力が削がれて、会話をしたり考えたりするのが難しくなってきます。
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