不安を取り除くのに時間がかかるので、たいていの心理学者はそれを目標にすべきではないと言うでしょう。試験を受けるときに不安を感じるのであれば、重要なのは、試験に受かるようにすることです。
目標にすべきは、不安を管理することです。間違っても「不安を感じなくなるまでそのタスクに取り組まない」とは思わないでください。不安を感じながらも、必要なことに対処することを目指しましょう。
少しでもやりたいことができれば、OK
不安を管理する作業にはフィードバックが重要です。どの対策がどれくらい効果的かは人それぞれなので、ある対策を試したとき、それが自分に合っているかどうかを把握できないといけません。
不安を打ち消すのではなく、管理するという目標に沿って、たとえ不安になっても、自分のやりたいことをやるのが成功だと考えるようにしましょう。ここで次のように思った人もいるかもしれません。
「なんだ。『恐れずに、とにかくやれ』ってことか」
まあ、そういうことです。不安を感じるのはイヤですが、害はありません。心臓がドキドキして、手のひらに汗がにじんでいるとき――「ここには問題があるぞ!」と身体がはっきりと訴えているときに、そういうふうに考えるのは難しいかもしれません。しかし、冷静に考えてみれば実際はなんの問題もなく、自分が傷つくことはないとわかります。
私の教えていた学生の話です。彼女は普段のやりとりでは問題がないのですが、授業で発言するときにはきまって首から胸まで赤くなり、しゃべり方がたどたどしかったので、人前で話すのがとても不安でした。
彼女は不安とうまくつき合っていくために、次のような計画を立てて、段階的に実行していきました。
・授業では毎回、短くコメントする
・週1回、もっと複雑な考え(たとえば、1分以上かかるような)を説明する
・授業ではまとまった発表をする
あなたにも同じことをやってもらいたいのです。少しでもやりたいことができたら成功としましょう。たとえ、誰かのコメントに賛同して「私もその点については同じ意見です」としか言えなかったとしても、です。
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