テストの勉強や苦手としている仕事など、嫌なこと、面倒なことほど先延ばしにしてしまう人は、決して怠け者ではない。むしろ途中でやめることができない完璧主義者なのかもしれない。
「5分間だけでいい」「途中でやめてもいい」と思って始めてしまえば、不思議と最後まで続けられてしまうもの。アメリカで教育関係者のバイブルとなっている『勉強脳』の著者であるダニエル・T・ウィリンガム氏は、先延ばしをやめる具体的かつ、誰もができる方法を同書で提案している。
勉強しないのはゲームが楽で魅力的だから
先延ばしの心理は複雑なものではありません。要は、そのほうが楽だからです。
苦痛なこと(例:数学の問題集を解く)を先延ばしにして、楽しいこと(例:スマホでゲームをする)をやろうとする。そのタスクが嫌であればあるだけ、または他のことが魅力的であればあるだけ、先延ばしをしがちになるのも不思議ではありません。
この問題が少々厄介なのは、未来に想定する楽しみや苦痛が今の楽しみや苦痛と同じパワーを持たないからです。たとえば、医者から砂糖の摂取量に気をつけるよう言われているときに、「1週間後、デザートにケーキを持ってくるけど、いかがですか?」と聞かれたとします。この場合断るのは簡単でしょう。ケーキという楽しみにさほど引かれないのは、それが1週間後のことだからです。
しかし、ケーキを「今あげる」と言われたら、断るのがずっと難しくなります。同じように、苦痛なことが遠い未来に起こるとしたら、怖くはありません。このように、いつそれが起こるかによってその価値は変わります。
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