「頭のよさは遺伝で決まっている」論の大誤解 「成績がいい人」が必ずしている見えない準備

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
成績がいい子どもは「頭がいいから」ではなく、「がんばって勉強をしている」から成績がよいのです(写真:IYO/PIXTA)
「私の成績が悪いのは頭が悪いから」。もし子どもにこんなふうに言われたら、多くの親は怒り出すか、うろたえるに違いない。成績が悪い子どもが言う「頭が悪いから」には、どんな隠れた意図があるのだろうか。
大人でも誤解している人は多いが、成績がいい子どもは「頭がいいから」ではなく、「がんばって勉強をしている」から成績がよいのである。そう意識の上ではわかってはいるものの、「頭の善し悪しは遺伝で決まっている」――この神話は意外にも根強い。アメリカ教育界のカリスマ的存在である氏は、その著書『勉強脳』で、自信を保ちながら努力を続ける方法を伝授している。

頭のよさとは遺伝だけでは決まらない

映画を観ていると、「不良」が先生やまわりの人たちの支援を受け、実は頭がよかったことに世間――そして彼自身―が気づく……というシナリオがありませんか。

勉強脳: 知らずしらずのうちに結果が出せる「脳の使い方」
『勉強脳: 知らずしらずのうちに結果が出せる「脳の使い方」』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

こうした映画は、主人公が自分の力をひどく誤解している――要は「頭がいいのにそれに気づいていない」という前提を観客が受け入れるかどうかにかかっています。ところが、たいていの人は自分も主人公と同じだとは思いません。

「私の場合は単純で、勉強ができないのは頭が悪いせいだから。映画みたいになったことなんてないよ。だって成績が悪いんだもん」

自信のなさは、学校の勉強がうまくいくかどうかに影響していきます。1つには、それによって失敗のとらえ方が変わること。

自分のことをデキる学習者だと思っている大学生は、試験で失敗しても、今回は勉強が十分でなかったんだろう、次はがんばっていい成績をとろうと考えます。一方、自分はこの大学にふさわしくないと思っているような学生は、成績を落とすと「やっぱりね……」と思ってしまうかもしれません。

次ページ自信のある/なしが人の将来を左右する
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事