「私の成績が悪いのは頭が悪いから」。もし子どもにこんなふうに言われたら、多くの親は怒り出すか、うろたえるに違いない。成績が悪い子どもが言う「頭が悪いから」には、どんな隠れた意図があるのだろうか。
大人でも誤解している人は多いが、成績がいい子どもは「頭がいいから」ではなく、「がんばって勉強をしている」から成績がよいのである。そう意識の上ではわかってはいるものの、「頭の善し悪しは遺伝で決まっている」――この神話は意外にも根強い。アメリカ教育界のカリスマ的存在である氏は、その著書『勉強脳』で、自信を保ちながら努力を続ける方法を伝授している。
頭のよさとは遺伝だけでは決まらない
映画を観ていると、「不良」が先生やまわりの人たちの支援を受け、実は頭がよかったことに世間――そして彼自身―が気づく……というシナリオがありませんか。
こうした映画は、主人公が自分の力をひどく誤解している――要は「頭がいいのにそれに気づいていない」という前提を観客が受け入れるかどうかにかかっています。ところが、たいていの人は自分も主人公と同じだとは思いません。
「私の場合は単純で、勉強ができないのは頭が悪いせいだから。映画みたいになったことなんてないよ。だって成績が悪いんだもん」
自信のなさは、学校の勉強がうまくいくかどうかに影響していきます。1つには、それによって失敗のとらえ方が変わること。
自分のことをデキる学習者だと思っている大学生は、試験で失敗しても、今回は勉強が十分でなかったんだろう、次はがんばっていい成績をとろうと考えます。一方、自分はこの大学にふさわしくないと思っているような学生は、成績を落とすと「やっぱりね……」と思ってしまうかもしれません。
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