緊張する場で平常心が保てる人・保てない人の差 焦る・不安な気持ちになるときの「心の仕組み」
真面目な人や繊細な人ほど、人前に出ると緊張したり、アガってしまったりして、本来の実力を発揮できないことがあります。男女を問わず、こうした悩みを抱えている人はたくさんいると思います。
どうすれば緊張せずに、本来の自分でいられるのか? どうしたら焦らずに、本領を発揮できるのか? 精神科医の和田秀樹氏が、精神医学や心理学の視点から、新刊『仕事も対人関係も 落ち着けば、うまくいく』をもとに、3回にわたり解説します。
平常心を保てない理由とは?
平常心とは、普段通りの落ち着いた心の状態を指します。平常心を保てれば、緊張するような場面でも、リラックスして本来の実力を発揮することができますが、平常心でいるというのは、意外に難しいことです。
私たちの日常には、感情を高ぶらせる要素があふれているため、ほんの少しのことで、気持ちが落ち着かなくなるからです。
どうすれば、平常心を保つことができるのか? ここでは、緊張したり、不安な気持ちになる「心の仕組み」(心理メカニズム)に焦点を当てます。平常心を保てないのは、周囲の人たちではなく、実際には自分の考え方に原因があることがほとんどです。
私が精神科医として用いている治療法のひとつに「森田療法」があります。森田療法とは、精神科医の森田正馬先生によって創始された精神療法で、不安や恐怖を排除するのではなく、「あるがまま」に受け入れることによって、症状の安定化を目指すという療法です。
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