「同調圧力」と「正解主義」の弊害
『ライフ・シフト』を読んだのは、2017年の学習指導要領改訂の直後です。私は内閣参事官として「人生100年時代構想会議」に事務方として参画しており、非常に刺激を受けました。今はコロナパンデミックを経て、学校も社会も大きく変わっていっています。これからを担う子供たちにとって人生100年時代を生きることを見据えて学びの転換を図ることがより重要になっていると感じています。
もともと私が最初に学習指導要領の改訂に関わったのは2008年、いわゆる「ゆとり教育」批判、学力低下批判が大きな社会問題になっていた時期でした。しかし、「ゆとり」(探究)か「つめこみ」(習得)かという議論は、サプライサイドに立った無意味な二元論でしかありません。
そのためこのときは、この不毛な二項対立を乗り越えるため、知識の習得・活用・探究という学習サイクルのなかで子供たちが深く思考するための言語活動をすべての教科で重視するという大きな方向性を打ち出しました。



















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