プロ野球のキャンプを受け入れる沖縄県の文化観光スポーツ部スポーツ振興課の担当者に話を聞くと、
「今季キャンプは、人数制限を設けずに観客を受け入れる球団がほとんどのため、県内外から大勢のファンの皆様にお越しいただいています。球団関係者やファンの皆様が県内の宿泊施設、飲食店等を利用することで地域・経済の活性化につながるものと期待しています。各球団では、感染防止対策を講じながら地域の子供たちへ野球教室を開催したりと、ファンとの交流イベントが徐々に再開されています。交流を通じて地域住民へプロ野球や他のスポーツ全般への関心が高まり、地域に活力を与えてくれていると考えています」
と回答。キャンプに関連した情報発信やプロモーション施策を実施しており、今後も受け入れ体制を強化していくという。
「沖縄県では、ガイドブックやウェブサイトにてキャンプ情報や受け入れ市町村の特産品紹介等、キャンプ地としての魅力発信を実施しています。那覇空港や那覇市内の国際通りにおいては各球団のバナーを掲出して、歓迎の機運醸成を図っているところです。また、球団マスコットをご当地マスコットがコラボレーションしたステッカーを制作し、アンケート回答者へのノベルティとしてお渡ししており、来訪促進および来場者の満足度向上を図っています。
今季はキャンプされる球団や、キャンプ期間の変更がありましたが、県としては引き続き受け入れ市町村と連携しながら、キャンプ地として受け入れ体制を強化します。今後はコロナ禍以前の賑わいが戻ってくるよう、県として施策や受け入れ市町村との連携を継続していきます。来季に向けて、来訪者の増加を図るため、県外における野球イベントにおけるブース出展等の県外プロモーションを強化する予定です」
ようやく戻ってきた「球春」にほっとしていることが、その口ぶりからも見て取れる。
キャンプの意義が徐々に変化
ただ、ここ十数年、春季キャンプを見続けている筆者は、プロ野球におけるキャンプの意義が徐々に変化していることを感じている。
20年ほど前のキャンプでは、ベテラン選手を中心に、ベスト体重とは程遠い体形で、空港のゲートを出る選手がいた。スポーツ紙などは「〇〇(球団名)部屋」と揶揄したものだ。主力選手たちはキャンプ序盤に酒の気を抜いて体を絞り込み、中盤以降に試合に出場できるコンディションに持っていったものだ。
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