しかし昨今は、選手の意識が高まり、12月、1月の自主トレの段階で十分にトレーニングを積み、すぐに試合ができるコンディションでキャンプインするのが当たり前になっている。多くの投手は初日からでもブルペン入りする。鍛える必要がある若手を除いてキャンプ地では「投内連携」や「サインプレー」などの確認をする程度。全体練習の時間が短くなっている。そして早いうちから紅白戦や練習試合が始まる。長期間合宿をする意義が、薄れてきているのではないか。
事実、西武ライオンズは今年のキャンプインを2月1日ではなく6日に遅らせた。個々の調整は埼玉県所沢市のベルーナドームなどで十分にできるという判断からだ。
「コンディションつくりは選手個々の仕事」に
MLBのキャンプは2月中旬に始まり、全体練習を数日間するとすぐにオープン戦に入る。NPBも「コンディションつくりは選手個々の仕事」という意識が高まり、キャンプは今後も短く、軽量化していくと思われる。
そうなると「キャンプ特需」の恩恵を受けてきた宮崎県、沖縄県も対応を変えていく必要がある。例えば、オープン戦の試合数を増やすために球場使用の便宜をさらに図るとか、対戦相手を増やすために台湾、韓国のプロチームや、社会人、独立リーグのチームを呼ぶとか、球団とも協議して何らかの工夫が必要になろう。今季から鹿児島県で始まった社会人、大学、独立リーグ、プロの交流戦「薩摩おいどんカップ」も参考になるだろうし、連携することも考えられる。
もともとプロ野球の春季キャンプは原則無料で、間接的な経済効果を期待するだけ。マネタイズという点で、今一つ踏み込みが足りないように思っているが、経済効果を考えるうえで、球団、地元ともに「春季キャンプのあり方」を見直すべき時が来ているのではないか。
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