WBCがサッカーW杯のようになれない残念な事情 MLB球団オーナーが全面協力を渋り選手の辞退も

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WBC日本代表に選ばれ、記者会見するエンゼルス大谷(写真:AFP=時事)

昨年末のサッカーワールドカップに引き続いて今年3月のWBC(ワールドベースボールクラシック)へ。日本は国際スポーツのビッグイベントに沸いている。コロナ禍はなかなか収束しないが、「日本代表」に対する期待感はますます膨らんでいる。

しかしワールドカップとWBCは、そのスケールもビジネスモデルも、まったく異なるイベントだ。歴史的背景も、マーケットもまったく異なっている。この違いを俯瞰的に見ていこう。

サッカーワールドカップとWBCの根本的違い

まずワールドカップの主催者はFIFA(国際サッカー連盟)だ。本部はスイスのチューリッヒにあり211もの国内競技連盟が加盟している。中にはイギリスのように、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドと4つの連盟がそれぞれ加盟しているケースもあり、国際連合の加盟国193よりも多い。

FIFAは、プロ、アマを問わず、また男子、女子を問わずすべてのサッカークラブ、リーグ、連盟の上に君臨している最高機関だ。ワールドカップは、そのFIFAが主催する最高の国際大会だ。大会の規模は、IOCが主催する夏冬のオリンピックに匹敵する。

サッカー選手は、世界各国のクラブに所属し、日々リーグ戦やトーナメント戦を戦っているが、ワールドカップに出場して活躍することは、至高の目標であり、これに比肩する栄誉は存在しない。

サッカーは多くの国でプロリーグが行われている。アメリカや日本などを除く多くの国で「最も人気のあるプロスポーツ」であり、各国のトップリーグの主力選手は多くの国ではスターになっている。

これに対しWBCの主催者はMLBとMLB選手会だ。MLBはアメリカ、カナダで行われている「メジャーリーグベースボール」を主催、運営する団体であり、MLB選手会はその選手が加盟する団体だ。つまり「アメリカのプロ野球リーグが、世界大会を主催、運営している」ということになる。サッカーでいえばイギリスのプレミアリーグやドイツのブンデスリーガがワールドカップを主催しているようなものだ。

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