西武ライオンズ「ドーム改修」で大胆な変貌の訳 野球観戦の楽しさだけではない施設の魅力演出

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辻発彦監督(左)と西武ホールディングスの後藤高志社長(写真:筆者撮影)

西武ライオンズが40周年記念事業として進めていた、本拠地である埼玉県所沢市のメットライフドームの改修工事を終え、このほどメディアに施設を公開した。配布された資料によると今回の改修のコンセプトは「ボールパーク化」と「チーム・育成の強化」とのことだ。

「ボールパーク化」とは、21世紀以降、ほぼすべてのNPB球団が主眼に置いてきたテーマだ。端的に言えば「スタジアム+テーマパーク」ということになろう。

MLBなど北米4大スポーツでは、単にスポーツ観戦だけでなく、スタジアム内や周辺に、飲食やアミューズメント、ショッピングなどの施設を配置し、従来のスポーツ観戦のコアな顧客だった男性だけでなく、子どもや女性、さらにはファミリー層をターゲットに「半日楽しく過ごすことができる」施設へと進化してきた。

NPB球団も同様の流れで、スタジアム内の飲食やアミューズメント施設の整備を進めてきたが、今回の西武はそれを一歩進めた形となっている。

「球場の楽しさ」体験できる仕掛けの数々

まず、スタジアムに隣接して「テイキョウキッズフィールド」という1000㎡の大型遊戯施設を設けた(「テイキョウ」は帝京大学のネーミングライツによるもの)。従来から屋内にキッズルームを設けていたが、これは一時的に子どもを預かる「授乳」や「託児」を目的にした施設だった。

テイキョウキッズフィールド(写真:西武ライオンズ提供)

しかし新遊戯施設は高さ5.5mから滑り降りる大型ローラースライダーなどで子どもが長時間遊ぶことができる。保護者同伴の施設だが、野球に関心がない子どもも「球場の楽しさ」を実感させる施設になっている。

また、球場の横に新設された「トレイン広場」には、西武鉄道の本物の車両を1両丸ごと設置。「L-train 101」とネーミングし、球場内のイベントとリンクするほか、電車に乗って運転ギミックを楽しむこともできる。子どもだけでなく鉄道マニアもひきつけそうな施設だ。

ライオンズチームストアフラッグス(写真:筆者撮影)

さらに公式グッズを販売する「ライオンズチームストアフラッグス」もリニューアルされた。

ユニホームやキャップなどさまざまなグッズを多数展示販売しているが、ユニホームは選手のロッカールームをイメージしたラックに展示されているなど、店舗としても洗練されている。ファッションに関心の高い若者、女性顧客にとっては魅力的なショップだろう。

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