センバツ「私学と公立の格差」埋まらぬ根本原因

「特待生」や「野球留学」によるアンバランス

市和歌山を下した明豊(写真:東京スポーツ/アフロ)

第93回全国選抜高校野球(春の甲子園)が行われている。昨年は新型コロナ禍で春夏の甲子園が中止になった。2019年の春の甲子園は4月3日まで行われたが、この時点での元号は平成、令和はこの年の5月から元号が令和に改まっている。今年の大会は「令和最初の春の甲子園」だ。

「春の甲子園」が誕生した経緯

夏の高校野球は、1915年に大阪朝日新聞社が全国中等学校優勝野球大会を創設したのが始まりだ。これが大人気となったため1924年、ライバルの毎日新聞社が春開催の選抜中等学校野球大会を始めることとなった。

その背景には、私学の台頭によって全国大会出場が難しくなった公立校の不満があった。そのために春の大会は、予選ではなく選考委員が選ぶスタイルとなった。「選抜」とはそういう意味である。その基準は、以下のとおりだ。

  • (1)大会開催年度高校野球大会参加者資格規定に適合したもの。
  • (2)日本学生野球憲章の精神に違反しないもの。
  • (3)校風、品位、技能とも高校野球にふさわしいもので、各都道府県高校野球連盟から推薦された候補校の中から地域的な面も加味して選出する。
  • (4)技能についてはその年度全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)終了後より11月30日までの試合成績ならびに実力などを勘案するが、勝敗のみにこだわらずその試合内容などを参考とする。
  • (5)本大会はあくまで予選をもたないことを特色する。従って秋の地区大会は一つの参考資料であって本大会の予選ではない。
  •  

終戦後、進駐軍(GHQ)によって甲子園球場が接収され、甲子園の野球大会は一時中断となった。関係者は、大会再開を働きかけたが、このときGHQ経済科学局長のマーカット少将が問題視したのは「なぜ春夏2回も開くのだ?」ということだった。

折衝に当たった毎日新聞の本田親男(のち社長)は、「勝敗重視の夏とは異なり、春は教育的な観点から代表を選ぶ」と説明して承認を得た。こうした経緯から以後も春の甲子園は、選考において夏とは異なる「独自色」を打ち出す必要があったのだ。

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