今年のプロ野球の開幕は3月26日と決められた。各チーム143試合のペナントレースが予定されている、昨年は6月13日開幕で120試合だったから、今季は2年ぶりに平常に戻る予定だ。しかし懸念材料は山積している。
その1つが「外国人選手」だ。NPB(日本野球機構)の規定では外国人登録の選手は、最大4人(投手、野手ともに最大3人)がベンチ入り可能だ。今季のNPBでは育成契約を含め82人(他に外国人枠を外れた選手もいる)が外国人選手として登録されている。これらの選手の半数以上が2月20日時点でチームに合流していない。外国人選手の多くは主力級だから、チームへの影響は大きい。
アメリカ、ドミニカ共和国など感染者が日本よりはるかに多い国では、出国そのものが難しい。また日本に入国しても2週間の隔離期間がある。チームに合流するのは遅れる。中日のように緊急事態宣言が解除されるまで外国人選手の入国をストップさせている球団もある。
合流してもサインプレーなどチーム内のルールを習得するには時間がかかる。開幕に間に合わないことで、リーグの戦力均衡に影響が出ることが予想され、12球団、NPBはこの問題に頭を悩ませている。
しかしながらもっとマクロの目で見れば、筆者はこの新型コロナ禍は、日本における外国人選手事情が大きく変化する契機になるのではないかとみている。
日本野球における外国人選手の存在
野球は1872年、アメリカの“お雇い外国人”だったホーレス・ウィルソンがもたらしたと言われている。以後、日本野球は独自の道を歩みつつも、常にアメリカの背中を追いかけてきた。
野球規則は細かなものも含めればほぼ毎年改訂されているが、アメリカでルールが改訂されれば1、2年遅れで日本も追従した。それは150年前から現在に至るも変わっていない。
1936年に今のプロ野球(NPB)の前身である「職業野球」が誕生したのも、前年にベーブ・ルースなどメジャーリーグ連合チームが来日したのが契機となった。
草創期から、プロ野球には外国人選手が在籍していた。1937年秋にはイーグルスの捕手、バッキー・ハリスが最高殊勲選手(MVP)に選ばれている。しかしハリスはマイナーリーグで124試合に出場したにすぎなかった。
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