WBCがサッカーW杯のようになれない残念な事情 MLB球団オーナーが全面協力を渋り選手の辞退も

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世界の野球を統括する団体は別にある。WBSC(世界野球ソフトボール連盟)という。もともとはIBAF(国際野球連盟)という組織で、野球のワールドカップを主催していたが、MLBが参加していなかったこともあり主としてアマチュア選手の大会だった。IBAFは2011年に財政難となり、MLBが支援をしたことで機構が再編され、ISF(国際ソフトボール連盟)と合併して2013年にWBSCとなった。

野球のワールドカップは廃止されトップ選手の国際大会はWBCに一本化されたが、主催はMLB、MLB選手会が握っている。WBSCはWBCの間の年に「プレミア12」というプロも参加する国際大会を主催しているが、MLBはこの大会にはメジャーリーガーを派遣していない。WBSCの加盟国、地域は公式サイトによると、世界137の国と地域から193(正会員185名、暫定会員8名)の国内連盟と14の準会員が加盟とのことだが、男子野球のランキングに載っているのは81、女子は20だ。これが実際の競技国、地域だと言えよう。

五輪競技からは外れる野球

オリンピックに対してはサッカー、野球ともに「限定的な協力」にとどまっている。サッカーは1908年に公式競技となったが、ワールドカップを優先するため1992年からU23(23歳以下)の大会となっている。

野球は1992年に公式競技となったが、MLBは選手を派遣していない。2021年の東京五輪では日本が優勝したが、アメリカはマイナーリーガーが中心だった。競技人口が少ないことなどもあり2024年のパリ五輪以降は五輪競技からは外れている。

ワールドカップでは、開催国ではオリンピック並みに巨大なスタジアムが新たに建設されたり、道路や鉄道などのインフラが整備されたりする。

イギリスのプレミアリーグ、ドイツのブンデスリーガなど各国のプロリーグは、ワールドカップの期間中、中断する。主力選手が多く代表選手になっているからだが、ワールドカップの興行を「邪魔しない」ことが不文律化している。本大会の開催期間は約1カ月。

前述したようにワールドカップに出ることはサッカー選手の最高の栄誉だ。1998年、日本が初めてワールドカップ本大会に出場した際に、当時のトップスターの三浦知良が代表に漏れたことはサッカー史に残る事件になった。

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