「観客フル動員」になってもプロ野球が伸び悩む訳 カギを握るのは応援解禁か、野球の魅力アップ

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今年は日本ハムの新庄監督の一挙手一投足に注目が集まりましたが……(写真:時事通信)

筆者は新型コロナ禍でもプロ野球の観戦を続けていた。2020年7月、無観客から上限を設定しての有観客試合が始まった直後からスタジアムに出かけ、厳重な感染症対策を守りながら試合を見てきた。以来2年、閑散とした球場で野球を見るのが当たり前のようになっていたが、今年3月、オープン戦で隣のシートに人が座って驚いた。

上限緩和で入場者100%に

昨年11月、日本野球機構(NPB)とJリーグは、新型コロナウイルス対策連絡会議を行い、2022年は入場者100%をターゲットに置き、対策、研究を進めると発表した。10月中旬には、12球団でワクチン・検査パッケージを活用して上限を緩和する技術実証を実施。観客数を制限しなくても、大きなリスクがないことを確認したうえでの決断だった。

その背景には、12球団の深刻な経営状態がある。NPB球団は経営情報を開示していないが、NPBと歩調を合わせて感染症対策を実施してきたJリーグは昨年7月に「2020年度クラブ経営情報開示資料」を発表、これによるとJ1~J3の56クラブのうち43が前年より営業収益を減らし、35が単年度赤字、10が債務超過に陥っているとのことだった。

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