それにしても日本ハムの観客動員の低迷は衝撃的でさえある。日本ハムは実質的にMLBでいう解体モード(高年俸のベテランを放出し、若手中心のチーム編成で数年後の飛躍を期すこと)だ。チームの低迷は織り込み済みで、今年は来年の北広島市の新球場移転へ向けての「前景気」をより重視していたはずだ。BIGBOSSこと新庄剛志監督の起用は、まさにそのためであり、話題作りで注目を集めたかったはずだ。
事実、前評判は上々で、一部メディアは「日本ハム戦は黄金カードになる」とまで書き立てたが、ふたを開ければ入場制限下でも満員は開幕戦だけと惨憺たる状況だ。結局、日本ハムファンは「チームの活躍」が見たいのであって「野球以外での盛り上がり」は求めていなかったのではないか。
ロッテの観客動員が善戦している理由
対照的に同じパ・リーグではロッテが動員率72.09%、コロナ禍前の93.23%と善戦している。これは明らかに「佐々木朗希効果」だ。佐々木が登板した試合に限れば、本拠地ZOZOマリンスタジアムの動員率は79.00%(1試合平均20,800人)、4月10日の完全試合の次戦以降に限定すれば97.55%(29,383人)になる。
またビジターでも4月24日のオリックス戦(京セラD)は80.13%(28,967人)、5月21日のソフトバンク戦(PayPayD)は92.39%(36,956人)を動員した。要するに野球ファンは「BIGBOSSより佐々木朗希を見たい」と思ったのだ。
日本ハムとロッテの対比は「プロ野球の魅力とは何なのか?」を端的に表している。話題作りも大事だろうが、コロナ明けの野球は「競技としての本質的な魅力」をよりアピールすべきではないかと思う。
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