読者の皆さんはU18野球日本代表が、韓国、台湾に連敗し、U18アジア選手権連覇の道を断たれたことに、ショックを受けられたかもしれない。
8月の甲子園で、881球も投げた金足農(秋田)の吉田輝星を韓国戦と中1日の台湾戦でマウンドに上げて、合計153球も投げさせた采配にも疑問の声が上がるだろう。
そしてWBCなどフル代表の試合ではほとんど負けたことのない台湾に3-1で負けたことも、予想外の結果だと思った人が多かったはずだ。
3位決定戦で中国を破り、かろうじて翌年のU18ワールドカップへの出場権を得たが、「こんなに弱かったのか」と思った人もいただろう。
4000校の頂点が50校・200校の代表に負けている!
しかしプロアマの野球関係者は、この結果にさほど驚いていない。「いつものこと」「これが実力」という声さえ聞こえてくる。
U18の選手の多くは、夏の甲子園の激戦を戦ってきた。吉田輝星だけでなく、多くの選手が、十分に疲労回復していない。また「燃え尽き」に近いモチベーションの選手もいただろう。しかし、そうしたコンディション面の問題ではなく、根本的な問題として、日本の高校球児は、同世代の韓国、台湾に実力的に優位とは言えないのだ。
日本の夏の甲子園は、減ったとはいえ4000校近く、約15万人もの選手の頂点を争う大会だ。この大会を勝ち抜いた選手は、日本の高校生の頂点と言ってよい。それが野球部のある高校が全国で50校しかない韓国や、200校しかない台湾の代表チームに手もなく負けるとは。
「そりゃ、日本が金属バットを使用しているからですよ。あれは日本の高校野球しか使っていない。国際大会になれば、木製のバットを使わなければいけない。使用球が変わり、ストライクゾーンも異なり、球数制限もあるなど、日本の高校野球と世界ではいろいろ条件が違いますが、バットの材質の違いほど大きな差異はほかにありません」
高校野球のコーチを経て、海外でも野球指導を行った経験がある元野球指導者は語る。
実は、野球関係者の間では「金属バットを何とかしないといけない」という声が高まっているのだ。
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