金足農「投手の玉砕」を賞賛する甲子園の病

いったい誰のための高校野球なのか?

8月21日に行われた決勝戦で大阪桐蔭戦に先発した金足農業の吉田輝星選手。大会を通じて計881球を投げた(写真:共同通信社)

第100回の夏の甲子園は、例年以上の盛り上がりの中、閉幕した。観客動員が101万人と史上最多を記録したのは、出場校が「56」と史上最多で、その分試合数も多かったから当然の話だが、大会の深まりとともに、超エリート私学の大阪桐蔭と、地方の公立農業校、金足農業の活躍が際立ち、両者が決勝で対戦したことで、最高潮を迎えた。

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興行的には誠に喜ばしい結果になったが、今年ほど、甲子園の運営に厳しい目が注がれた大会もなかっただろう。

その契機となったのは「酷暑」だ。気象庁が「災害級」という異例の表現で警告を発したように、列島は連日、体温をはるかに超える異常高温となり熱中症に倒れる人が続出した。

高校野球中継のテレビ画面を囲む「高温注意情報」

大会を主催する朝日新聞をはじめとする大手メディアは、「不急不要の外出」をしないように呼びかけた。しかし、その一方で、炎天下で行われる甲子園を喧伝したのだ。NHKの高校野球中継では、「高温注意情報」と題して無用の外出を止め、熱中症対策を呼び掛けるテロップが、炎天下で球児が野球をする中継画像の周囲を囲んだ。これはシュールな絵柄ではなかったか。

大会後半には、酷暑も峠を越した。しかし大会期間中、多くの選手が足がつるなど熱中症の初期の症状を訴え、治療を受けた。熱中症で途中で交代したアンパイアも出た。ぎりぎりの状態での大会運営だったことは間違いないだろう。

それ以上に問題視されるのが、投手の「酷使」だ。

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