1915年から始まった日本の高校野球(1947年以前は中等学校野球)の全国大会(春夏合計)の1試合当たりの本塁打数を10年刻みで見ていくとこうなる。
1925~1934年375試合75本(0.200本)・1925年甲子園の使用開始
1935~1944年258試合 9本 (0.035本)・1936年甲子園の球場サイズ縮小
1945~1954年334試合59本(0.177本)・1947年甲子園にラッキーゾーン設置
1955~1964年530試合65本(0.123本)
1965~1974年597試合143本(0.240本)
1975~1984年751試合374本(0.498本)・1974年金属バットの使用認可
1985~1994年796試合461本(0.579本)・1991年ラッキーゾーン廃止
1995~2004年806試合401本(0.498本)・2001年秋金属バットの重さを900g以上に規制
2005~2014年809試合525本(0.648本)
2015~2018年329試合264本(0.802本)
創設当初の甲子園は両翼110m中堅120m左右中間128mもあり、親善野球にやってきたベーブ・ルースが「Too big!」と驚くほど大きかった。この当時の本塁打はほぼすべてがランニングホームランだった。1936年に両翼95m中堅・左右中間118mと縮小されてからはランニングホームランが減って本塁打数は減少する。戦後、ラッキーゾーンが設けられてさく越えホームランが増加する。
以後、本塁打数はさまざまな要因で上下していたが、1974年金属バットの導入で事態は激変する。本塁打が倍増したのだ。その後も本塁打数は増え続け、2015年以降は1試合当たり0.802本にもなっている。
端的に言えば、金属バット導入以降、高校野球は「別物」になってしまった。
プロ野球と変わらないペースで本塁打が出ている
今夏の甲子園の数字は、55試合で51本塁打、1試合当たり0.927本。
今季、プロ野球は9月8日試合終了時点で甲子園で49試合が行われているが、本塁打数は49本(阪神14本、広島10本、巨人9本、DeNA6本、ヤクルト3本、中日2本、オリックス3本、ソフトバンク2本、ロッテ0本)。
1試合当たりの本塁打数は1本。高校生とプロの本塁打率がほとんど同じなのだ。
実力差を考えれば、これは異常な数字だと言わざるをえない。
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