それはアメリカだけでなく、MLBに人材を送り込んでいるドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコなどでも同様だ。野手は第1回にはデレク・ジーター、ケン・グリフィーJrなどのスター選手も出たが、調整期間中の3月に真剣勝負をすることを忌避する選手も多く、オールスターメンバーとはいい難かった。
対照的に日本は、NPBの一線級のエースを立てて「国の威信をかけて」大会に臨んだので第1回、第2回と2大会連続で世界一に輝いたのだ。
それ以降もMLBではエース級はほとんど出さなかったが、第3回以降、アメリカやドミニカ共和国などは一線級の救援投手がそろったこともあり、日本選手はこれを打ちあぐみ、第3回、第4回とベスト4に終わっている。
ここまでのWBCは、日本や韓国、台湾など自国にトップリーグを有する国と、アメリカ、カナダ、ドミニカ共和国などMLBの選手が主力の国では、明らかに温度差があった。
超大物選手がプレーする今回のWBC
しかし今大会では、アメリカは現役最高の選手と言われ、大谷翔平の同僚でもあるエンゼルスのマイク・トラウトがキャプテンを務め、昨年のナ・リーグMVPのカージナルス、ポール・ゴールドシュミット、ドジャースのムーキー・ベッツなど超大物が顔をそろえている。
先発はドジャースのクレイトン・カーショウ、カージナルスのアダム・ウェインライトなどベテランが多く、大型契約を結んだ上り調子のエースはほとんどいないが、救援陣はメッツのアダム・オッタビーノなど動く球を駆使する一線級がそろった。トータルでは「史上最強」と言ってよいだろう。
またドミニカ共和国は昨年のナ・リーグ、サイ・ヤング賞投手のサンディ・アルカンタラをはじめとするエース級の投手に加え、ブルージェイズのゲレーロJr.、マリナーズのフアン・ソトなど働き盛りの打者をそろえ、こちらも「史上最強」と言われる。
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