筆者が訪問したフランス人夫婦の自宅には、日本で捨てられていた番傘、割れた焼き物のかけら、ユニクロと無印良品の服があった――。
フランス南西部、バスク地方の都市バイヨンヌ。パリから約800キロ離れたこの街で暮らしているのは、陶芸家のナデージュさんと医師のアントニーさん夫妻だ。
夫婦の住まいには、2025年夏に日本を旅した際に大切に持ち帰ったものがセンスよく飾られている。どれも決して特別に高価なものではない。ゴミ置き場で見つけたものもある。けれど、その一つひとつが2人の感性で選び抜かれたものだ。
お宅訪問をさせてもらいながら、彼らは日本で集めてきたものの何に美を見いだし、どのようにライフスタイルに組み込んでいるのか教えてもらった。
僕たちはいつも模様替えをしている
「わあ、素敵!」
ナデージュさんの家に一歩足を踏み入れた瞬間、筆者は思わずそう叫んだ。
家の1階部分は、壁のほとんどが取り払われた開放的なワンフロアだ。その空間に、光と風が吹き抜ける。
そして部屋のいたるところに、2人の審美眼にかなったものがセンス良く配置されている。それらはすべて、異なる時代、異なる地域から持ち寄られたものなのだ。


















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