WBC選手が調整「プロ野球キャンプ」で見た激変 長期間合宿をする意義が以前より薄れてきている

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プロ入り3年目の佐々木だが、これまで2年間は、まだ「身体ができていない」という首脳陣の判断で、アップや柔軟などの調整が長く続き、ブルペン入りが遅かったのだが、今季は上旬に早くもブルペン入りし、捕手のミットに快音を響かせた。「侍ジャパン」の投手コーチも兼ねている吉井理人監督も熱心に見入っていた。

ブルペンでの佐々木(写真:筆者撮影)

佐々木の球数は厳重に管理され、投球はトラッキングシステムによって、軌道、球速、回転数などが記録されている。侍ジャパンの投手たちが早めに始動するのは、WBCが3月9日に開幕するからではあるが、それだけではなくWBCの使用球が、NPBの公認球とは異なり、縫い目が高く、やや大きく、表面の皮が滑りやすいなど、使用感が異なっているからだ。

WBCに出場する投手は、春季キャンプはすべてWBC使用球を投げていた。コーチや球団アナリストは、NPB球とWBC球の変化の違いなどもチェックして、投手に助言を与えている。

ファンと選手の距離も縮まった今年のキャンプ

ロッテの石垣島キャンプといえば、コロナ前は台湾プロ野球(CPBL)の楽天モンキーズとの「日本一早い対外試合」が有名だった。モンキーズのチアガールも帯同し、球場では華やかなチアの応援を披露した。さらにフェリーや飛行機で団体客も駆けつけ、大盛り上がりする。2021年、2022年と交流試合は中止されたが、今季は2月11日、12日に行われ、日本、台湾から数千人の観客が詰めかけて3年ぶりの盛況となった。

(写真:筆者撮影)

沖縄本島では、宜野湾市のDeNA、浦添市のヤクルト、金武町の楽天、宜野座村の阪神、名護市の日本ハムなども2月1日からキャンプを張った。これらのキャンプ地でも感染症対策は大幅に緩和され、ファンと選手の距離も縮まり、交流も始まった。

ただ、巨人は例年であれば、ファームが先乗りして那覇のセルラースタジアムを使用するのだが、今季はファームは宮崎県都城市でキャンプを張ったため、2月15日に一軍が来るまで那覇市でキャンプが行われない事態となった。

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