阪急百貨店の驚く新展開「常識破る売り場」の正体 アウトドアとラグジュアリーのブランドが共存

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これからの百貨店ビジネスはどうなっていくのか。「情報リテイラーからコミュニケーションリテイラーへと変わらなければととらえています」と山口さん。

2012年に「阪急うめだ本店」がリニューアルした際、時代は「モノの持つ機能的価値にあこがれる時代」から「モノの持つ文化的価値に共感する時代」へ移行しつつあり、百貨店のビジネスモデルは「モノ価値小売業=モノリテイラー」から「生活情報サービス業=情報リテイラー」へ変化していくととらえた。

ここでいうビジネスモデルとは、「顧客には満足=顧客価値を、企業には利益をもたらす仕組み」だという。そういった考えのもと、「モノ」ではなく、豊かな暮らしを実現するための「情報」を提供する品揃えや売り場とその伝え方に注力した。

それから10年、時代はさらに進み「自分の持つ自己実現価値に共感する時代」、さらには「他人の持つ自己実現価値に共感する時代」へと移行してきた。「例えば応援消費もその1つ。他の人の自己実現価値に共感し、いわば利他的な自己実現として、それを応援する動きが顕著になっています」(山口さん)。

そういった中、百貨店のビジネスモデルは「自己実現支援ビジネス=コミュニケーションリテイラー」になっていくという。「コミュニケーションリテイラー」とは、コミュニケーションを通じて自己実現を支援するビジネスのことを指す。

三段重ねのビジネス構造を作る

「これからの百貨店ビジネスは、新しいモノが見つかるという『機能的価値』における豊富な品ぞろえに、新しい暮らしが見つかるという『文化的価値』における上質な提案力を備える。そのうえに、新しい自分になれるという「お客様の自己実現価値」をお手伝いできる専門性と共感コミュニケーション力により、全体として楽しさや豊かさを作っていく。そういう3つが重なり合う三段重ねのビジネス構造をきっちり作っていかなければいけないということです」(山口さん)

しかもそれを「声高に言うだけでなく、実験的な試みとして行い、お客様の声を聞いたうえで、さらに前に向かって進んでいく。それをやり続けることが大事なのです」と山口さんは言う。

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